天白ワークスの南側に今は2階建ての作業所が建っていますが、そこは以前は畑として使っていました。
ボランティアのNさんが大根、じゃがいもをつくれば、私はハーブ類を植えて楽しみました。

農作業の知識もないのに苗を買ってきてはやたらと植える私は、この小さな畑で、あるときカボチャのおばけのように大きくなったものができました。
苗を買って植えたのに名前が風で飛んだのか、まるでどうやって食べるのかも分かりません。
みんなに「これなあに?」と聞いても、「知らない」「知らない」といいます。
本をかたっぱしから探して、やっとズッキーニとわかりました。これを煮てみようと包丁を入れたところ、刃がたちません。今度は柄でたたいてもびくともしません。
何だ?これ!???

料理の本をいろいろ調べてみてそれでわかったことはズッキーニは10cmから15cmくらいのときに食すものだとわかり、80cmくらいになったものは包丁の刃がたつはずもありません。
野菜類は食べごろや食べ方というものを大事にしなくてはなりません。

畑で栽培するものは料理を楽しむもの、色を楽しむもの、香りを楽しむもの、果ては薬草とするものなど楽しみは多彩で、その利用方法をよく知った上できちんと栽培しないととんだことになります。その後も、フェンネルをはびこらせてみなんに「魚と煮ると美味しいよ」と配ったことがありますが、どうも皆さんには敬遠されたみたいです。

私はハーブ熱がさめやりません。

そのころ、天白ワークスから少し離れた400坪ばかりの空き地をお借りしていました。福祉施設に土地を無償貸与して実際に福祉用に使用されれば土地の固定資産税がそれなりに免除されます。
もちろん貸主にとって収益はありませんが、福祉にも役に立つし固定資産税の負担もなくなるということでお貸しいただいたものです。

お借りした土地は利用者のみなさんが農作業をするための土地としてお借りしました。
ところが農作業はなかなかたいへんな作業です。そこでこの畑をハーブ園にしていこうとなりました。
家族会が中心になってラベンダー、ミント、レモンバームを植えました。そのころ経営していたイタリアンレストランの「あざみ亭」に朝摘みのハーブを届けるほどになりました。

その後、私は入院をしました。私の入院中に、長年畑を貸してくださっていた貸主の方が病院にまでわざわざ来られ、事情があって土地を返してほしいとお願いされました。もとより申し出があればいつでもお返しするお約束で借り上げた土地です。長年お借りしていたことを感謝してお返しすることになりました。

退院後、畑を見に行くとすでに整地されて駐車上になっており、家族会が植えたラベンダーはあとかたもなくありません。
「どこへ移植したの?」と聞くと
「ブルドーザーがならしていった」というのです。
私は言葉もありませんでした。3年くらい経っているラベンダーは大株になっているはずだし、鉢植えにして売れば1株3000円。最低50株としても・・・。
私は病気になったことを申し訳なく思うのみです。

そんな思いをしたので、家族会の方々も二度とハーブは作らないだろうと思ったのですが、さにあらず。レジデンス日進の屋上にはまたチョコチョコとハーブが芽を出しています。、またもや家族会の人がいろいろ手入れしてくださり、立派なラベンダーを始めとしていろいろとあります。やがてターシャ・チューダーの絵本の世界にあるような花園にして利用者のみなさんとガーデンパーティがやれるのを夢見ているところです。

2007年5月7日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝