就労支援事業の活性を

2006年は障害者自立支援法によって障害者福祉が大きく揺れ動いた。

障害者自立支援法の光の部分は
(1)これまでバラバラだった知的障害者・身体障害者・精神障害者の福祉サービスが「一元化」されたこと。
(2)一般就労へ移行することを目的とした事業が創設されたこと。
(3)障害者が身近なところでサービスが利用できるよう、施設の基準や規制が緩和されたこと。
(4)支援費を国が義務的に負担する仕組みに改めたこと。 
その一方で影の部分は
(1)障害者が福祉サービス等を利用した場合に1割負担が必要になったこと。
(2)食費等の実費負担が必要になったこと。 
あまりにマイナス部分が大きかったために、自己負担部分について見直しも行われようとしている。

もちろん、今のままでは影の部分があまりにも大きい。これから十分な見直しを行い、障害者の生活の質が低下するような要因をできるだけ改善することが肝要である。ただ、私たち福祉サービスを提供する側の人間も、この法律が示すところである障害者の地域生活の充実のためによりいっそうの努力をする必要がある。

これからはこれまでのように国の予算に縛られて施設を建設する必要はない。自由な発想で仕事を開拓することができる。地域の中には通常の障害者が参加して市民の皆様のお役に立てる仕事がまだまだ存在している。これからは介護サービスの技術的な充実を計るとともに、就労支援を充実させることが必要だろう。

名東福祉会はこれまで、レジデンス日進の設置にエネルギーを費やし、障害者自立支援法の施行にともなう大幅な収入減を乗り越えるために翻弄されてきた。障害者自立支援法の導入に伴う混乱が激変緩和措置でひとまず落ち着きを見せた今、名東福祉会は地域の中で障害者と健常者が力を合わせて働くことに力を入れていかなければならない。激変緩和で与えられた時間はわずかである。

例えば資源の循環に貢献する仕事。現在、日進市では食用油の廃油を日進市運営の路線バス(くるりんバス)の燃料に再生する仕事を障害者施設に委託すること検討されているという。この仕事を私たちの法人の利用者の方々にも是非やらせていただきたい。

障害者の就労は一日にして成立しない。健常者と比べると作業内容の習得に時間がかかる。反面、一度習得した作業は確実にこなすことができる。リサイクル事業は継続性が高く、その点私たちの得意分野である。また、廃油を集め、それを自動車燃料に生まれ変わらせ、配達するシステムができれば、一般家庭からの廃油回収、一般車への配給へと拡大することができる。さらに、生ゴミの回収とゴミ袋や肥料やお米や野菜などとの交換など市民との触れ合いを深めるリサイクル事業にも発展させることが可能であり、大きく夢が広がる。

これからは観念的な地域福祉論はいらない。どうやって市民のお役に立てる仕事を獲得し、それを障害がある人の生活の糧にするかが肝心だ。ひとりひとりのお客様をどのように大切にするのかの積み重ねが地域に根付くことであり、その延長が就労継続支援事業であり、地域福祉である。