天白ワークスに用事があって出かけました。

作業室に入ったとたん、ひとりの利用者が駆け寄ってきて、
「ちっとも来なかったねえ。なんで来てくれへんの?」
「うん、忙しかったもんでね。」と私。
「このごろ(レジデンス日進の)Sさんが来なくなったので、私ひとりでがんばっているんだよ」と新作のはしおきを見せてくれました。

そこへまたひとりが来て「ちっとも来んなあ。来なかんよ。(来ないといけないよ)」と背中をたたきました。こんな私でも喜んでくれるんだと思いました。

ちょうどその時、10人ばかりの地域のグループの方達が陶芸教室を終えて帰られるところ。この方たちは老若男女さまざまな人たちのグループで、天白ワークスの利用者の人たちの作業と平行して開催されている陶芸教室の参加者のみなさんです。私はごあいさつするとグループの長の人が「私たち、おじゃまして申し訳ありません。」とごあいさつ。みなさんいっせいにニコニコと口々にごあいさつ。「来月もまたおじゃまします。」と帰っていかれました。

仏教に、和顔施(わげんせ)ということばがあります。無財の七施のひとつで、自分の損得から離れて、人に対していつもにこやかに笑顔をもって応対すればいろいろ良い方向へ転じていくという教えです。

私はこうした教えがあることも知らなかったのですが、私は利用者さんたちの笑顔に支えられて生きています。利用者さんの笑顔はまわりの人々を幸せに向かって歩むよう後押ししてくれているようです。なにかと苦しいことが多い今日この頃ですが、私は毎日、利用者の人たちとも、地域の人々とも笑顔で接することができ本当に感謝です。

2006年12月21日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝