親亡き後

瀬戸からお母さん4名がグループホームの話を聞きたいとレジデンス日進においでになりました。いろいろ雑談をすすめていました。話を要約すると親亡き後、ひとりで生活してゆく姿を知りたいのが親心というもの。そのためには若いうちから親から離れた生活を体験して「親がいなくなったらこうやって暮らしてゆけばいいのだ」と親自身が納得することが必要。そうした場をどうやってつくったらいいのか・・というお気持ちと受け止めました。

今までも、同じ思いの人がいっぱいいて、施設や社会福祉法人に「入所施設に入れてください」、「グループホームをつくって下さい」とか「ケアホームをつくって」とお願いしていれば何とかできあがってきました。ところが最近の情勢は施設がなかなかできません。制度も予算も厳しくなり、少しずつ、地域で生活することが難しくなってきているような気がします。未来はけっしてばら色ではなく、自分たちがほしいと思う生活施設をつくるにはどうしたらよいかを真剣に考えないといけないと考えるようになってきたと思うのです。

養護学校を出て、理想の施設が満杯で、行き場がないと自分たちで小規模作業所をつくって頑張ってきたのと同じだなあと思いました。地域でがんばって生活してきた人たちですが、とうとう、親亡き後という現実が迫ってきて、終の棲家を探し始めたということです。どうするかという結論はでませんでしたが、「また来ます」といって帰ってゆかれました。

親亡き後といえば、今日、レジデンス日進のご利用者の方の親さんもなくなられました。みんなそんな年齢になりつつあります。

地域の中で本人がさりげなく暮らしてゆけるようになるために、ヘルパー制度ももっと充実してゆかねばなりませんね。いろいろ考えさせられることばかりです。

2007年2月6日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝