「引っ越し」を伝える

かれこれ10年以上関わってきた方が、今月末で遠方に転居します。

自閉症の方でコミュニケーションや対人関係に課題があり、それこそ、関わり始めた頃は通い先もありませんでした。少しずつ、年単位で歩みを進めて、この数年は平日は通所し、月に数回は短期入所も利用して、同居の母親も安心して自分の通院等ができるようになりました。それを可能にしたのも、毎日のスケジュールを視覚化して本人に提示する方法を積み重ね、信頼をしていただけたからかと思っています。

さすがに今回の「引っ越し」をどう伝えるかは悩みました。見通しが立たないことが一番の不安の種になるので、「どこかに行くけど、帰ってこない」という状況をどう理解してもらえるか・・・母親とも相談し、これまでの伝達方法を応用して、最後は何の心配もないという表情(?)を作ることに集中して、玄関先で簡潔に説明しました。

私が事務所に戻ってから、母親から着信があり、不安定になってしまったのではと心配もしたのですが、どうやら納得してくれたようだとのこと。この10年のお付き合いが間違っていなかったと思え、私の方も何かがストンと落ちたような気持ちになりました。

手法やツールの話題は尽きないですが、大切なのはそれらを通じて、本人・家族・支援者の間に築かれる関係性なのでしょう。何でも上手くやることは難しいですが、相手を裏切らないことは誰でもできる気がします。

「引っ越し」を伝える」への2件のフィードバック

  1. いきなりのコメントすいません。自分が勤めているホームにも自閉の方や統合失調症の方もいて伝える方法が時々何が良くて何がいけないのかわからなくなる時があります。その度に視野が狭くなってる事に気づきます。同時に信頼関係はまだまだ築けてないなとも思えます。この記事を読んですごいなと思いました。

    • ZX-14様

      コメントありがとうございます。
      全然すごくなんかなくて、お恥ずかしい限りです。

      正直言って、10年以上のお付き合いの中でいろいろなことがあって、私も試行錯誤の繰り返しだった気がします。ただ、最後の最後、別れ際(?)になってストンと落ちた感を持てて、素直に嬉しかったのと、ちょっと皮肉を感じたのと両方です。

      あと、直接支援のお立場と、相談支援の立場と、本人との距離感も違いますよね。誤解を恐れずに言いますと、相談支援はいいトコ取りするところがあって、でもそれが必要なのだとも思います。一方で、直接支援こそが障害福祉サービスの本質というか実体ですよね。

      回りくどいコメントとなってしまいましたが、要は、「視野が狭く」ならないことが大切というか。手法やツールは手段でしかないことを、私も再確認させていただいた次第です。

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