参議院内閣委員会での障害者基本法に関する質問

平成23年7月28日、参議院内閣委員会で自由民主党の衛藤晟一氏が質問を行っています。
冒頭、あさみどりの島崎春樹先生(名古屋のある有名な福祉をやっている方とは島崎先生の事です)との対談が紹介され、障害者福祉が1981年の国際障害者年以来、「ともに生きる社会」を目指してきた事を指摘されています。

質問の趣旨は
1 これまで障害者問題は議員立法で法律を作ってきた(いいかえれば超党派で立法してきた)が今回は政府として法律が提出された。
2 社会資源が大幅に不足している状況の中でいきなり人権条約が出てきたのは違和感がある。
3 身体障害に重点が置かれすぎていて、知的障害、発達障害、精神障害については弱いのではないか。
という三点です。

人権を擁護する事は大切です。世界的な潮流でもあります。でも、現在の日本の障害者福祉は、重症心身の施設が極端に不足しますし、精神障害は福祉施設で受け入れる体制が極めて不十分なまま請け負わされています。さらに、発達障害の療育についてはまだ方法論が確立していません。そのような状況の中で、真摯に取り組んでいる福祉サービスの事業者に対して、人権侵害のチェックだけを厳しくしていく事は、福祉サービスの仕事をより困難にさせたり、新しいサービスを創造していく事にちゅうちょしたりするような効果があるように思えてなりません。人権が独り歩きしていけば、「とも生きる」事について潜在的に憶病になり、ひいては障害者と健常者がばらばらにされてしまうということにもつながりかねません。

もちろん「ともに暮らす社会」は簡単に実現できる理念ではありません。目を覆うような人権侵害の事例も後を絶たないという事もあります。考えてみれば、日本の政治は、平成に入って徹底的に「家族」や「地域」が壊されてきました。状況は難しいと思います。でも、障害者基本法は理念法。私たち日本人が日本人らしく「和(なごみ)」の世界で支えあう事ができるための法律は何かを議員の方々には議論していだたきたいと思う次第です。

ホームページの冒頭に、衛藤晟一氏の質問ビデオをアップしておきます。

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