名古屋手をつなぐ育成会創立60周年記念大会

昨日は教育センターで名古屋手をつなぐ育成会の創立60周年記念大会・名古屋市知的障害者福祉大会が開催されました。
式典で、名古屋市長より援護功労の表彰をしていただきました。あつく御礼申し上げます。

大会では、この4月から試行されている「障害者総合支援法」を題材に、厚生労働の福祉人材対策室長補佐の関口彰氏と全日本手をつなぐ育成会常務理事の田中正博氏の対談がありました。

対談を聴講していて、印象に残ったのは次の3点です。

1 グループホーム、ケアホーム、小規模入所施設が一元化される
2 障害者と一般の人たちの間に立ちはだかる社会的な壁を取り除く研修や自主的な活動が必須事業化される
3 自治体の物品は障害者施設から優先的に購入する法律ができる

名東福祉会では、ナイトケアとして、すでにレジデンス日進と上ノ山ケアホームを一体的に運営しています。障害者総合支援法が名東福祉会の実態に近くなります。これからはさらにグループホームを数多く設置していかなければなりません。障害者総合支援法によって、旧来の施設の壁を越え、地域の中で本人の希望にそう形で多様な形態の生活の場を作っていく事が今までよりもやりやすくなると思います。

地域住民の理解は障害がある人たちが地域の中で自立した生活を送る上で必須の事柄です。2は理解を広げるために自治体が必ずやらなければならない事業になっていくことを意味します。もちろん、自治体が直接やるのではなく、地域の住民や団体の活動を応援する形になります。

名東福祉会ではボランティア推進事業として独自通貨制度である「メイトの実践」が始まりました。この事業が名古屋市や日進市の必須事業として位置づけられた啓発事業とリンクしつつて広がっていく事を目標としなければならないと思いました。

障害者総合支援法になって、就労継続支援B型(いわゆる「生き甲斐的な作業活動」)がややもすると脇役的な存在になりつつありました。昨年来、全国の施設から「作業は知的障害者にとって大切な活動」であることが指摘されています。今後、自治体の物品が施設が生産した物品を優先的に購入していただいたり、清掃作業などの委託作業を発注していただけるようになると、施設に活気がでてくると思います。やはり人の役に立ち、喜ばれる活動をすることが生きていく上では大切です。この分野の充実は引き続き追い求めていきたいと思います。

現在は厚生労働省のホームページに総合支援法関連の資料が公表されていて、誰でも読む事ができます。しかし、重要なポイントや法律の背景にある施策のねらいのようなところはやはり担当者の「個人的な意見」でしか聞く事ができません。厚生労働省の担当官の生の声を聞けたのは大きな収穫でした。手をつなぐ親の会の方々には舞台裏でたいへんお骨折りいただいたと思います。ほんとうにありがとうございました。