東日本大震災

戦後最大の震災がありました。M9.0は世界でも4番目の大きさだったそうです。

救援が始まりましたが、被災地の方は依然として厳しい状況に置かれています。また福島第一原子力発電所の事故はまだ安定した状態にはなっていません。一刻も早く復興体制が整い、安全が確保される事を願うばかりです。

今日(16日)の段階で死者・行方不明者は11000人を超えています。また避難生活を強いられている人は45万人にも上るといいます。その中でこれまでに自衛隊や消防の方々が救助した人の数は2万5千人以上となったそうです。危険を顧みず救助に向かう人たちの存在は、ほんとうにありがたく思います。

日ごろあまり見ないテレビですが、現地からの映像を見ますと、被災地の方が、少ない物資を分け合い、お年寄りや子供たちをいたわり、助け合いながら生きている姿を見ますと同じ日本人として深い感銘を受けます。横浜や東京では昨日より計画停電が始まりましたが、みなさん「東北の人たちを助けるため」と冷静に対応しています。

愛知の名東福祉会としても、自分たちが今できる事は何か、これからすべき事は何かを真剣に考えたいと思います。こうした時は、会の団結を深め、内部の改善に努めるとともに、これから起こってくるだろう様々な問題に、ひとつひとつ丁寧に対処していきたいと思います。会員の皆様方にはご協力をお願いいたします。

ネットワーク型

知的障害者の人たちの支援を本人の夢に沿う形で行うならば、網の目のように張り巡らされた支援者の関係をもって支援するしかありません。

これまで福祉システムの経営論を考えるとき、ひとつの考え方としてトップダウンかボトムアップかといった、やや表層的なgironn
が行われることがありました。現代の福祉システムで最も求められているのは、そのどちらでもなくネットワーク型です。トップダウン、ボトムアップは所詮組織の枠内から外に出ていない議論であるためです。

福祉施設は自己完結していてはなりません。さまざまな人たちが様々な夢を持ち、様々な考え方の元に、色とりどりの生き方を求めています。ひとりひとりの夢に合わせて支援を行おうとするならば、多様な支援システムの長所や短所を認め合った上で協働するしかありません。その意味では知的障害者にかかわりのある親、教師、福祉施設職員、企業の指導員、専門家の人たちの出会いが大切です。

インターネットはもともと国防のシステムとして生まれました。ひとつの情報伝達ルートが破壊されてもいろいろなルートで通信を維持する事ができる網(ネットワーク)を構築すれば、破壊に耐えるという発想から生まれました。ちょうど同じ事が福祉システムにもいえます。単独の福祉システムが提供する支援は脆くて危うい。
私たちは、支援のネットワークを、生活の場に細かく張り巡らされたネットワークから、地域レベル、県レベル、国レベルに広げていく事が必要です。もちろん国がしっかりとした福祉の方向性、あるいは国の形を描いていないとネットワークの構築のしようがありませんが。

住まいの政策

福祉は、もちろん、目の前の当事者のために今できる事は何かを追求する仕事ですが、将来の安心も考えなければと思います。人間には未来があります。私の兄はもう60歳を超えていますが、
「大きくなったら○になりたい」
といいます。彼には確かに「未来」という時間があり、そこを見て生きています。ところが、今の政治家からは、将来が不安になるような言葉が次々と吐き出されてくると思いますがどうでしょうか。

あなたは、次の言葉は正しいと思いますか?
・外国人の介護人が入ってくれば、介護の担い手に困らなくなり、将来の不安がなくなります。
・税を下げると、市場が活性化され、失業中のお父さんの仕事が仕事に就く事ができます。
・高速道路で人が自由に移動できるようになると、新しい出会いが増えて地域の絆が深まります。
・公営や社会福祉法人営の住居を減らせば、障害がある人や高齢者の人は自由に住居を選べるようになります。
上記のスローガンは嘘がばれやすいように、わざと下手に書きました。でも、ここ20年くらい、政治は本質的には上記のような嘘を言葉巧みに私たちに浸透させてきたのではないでしょうか。最近のTPP議論が典型的なものです。

障害がある人の生活のうち、もっとも基本的な問題は「住まい」の問題だと思います。住まいは、単に家がぽつんとあるだけではなく、ご近所の人たちを含めた場の一部とみなされます。あまり人が動いてまわりの人が知らない人ばかりになると、障害がある人にとっては生活の質が下がります。

名東福祉会も障害がある人の仕事として、食品を扱っていますが、外国から入ってくる食量よりは多少高いかもしれないけれども、安全でおいしいお菓子やお米をいつも買ってくれる人がご近所さんだったらいいのにと思います。

障害者の住宅政策を行ってほしいと思います。
名東福祉会のケアホームは広いと言われていますが、カナダやアメリカのグループホームは個室を超えて、個人に複数の部屋が割り当てられていてとても広いです。名東福祉会のホームページに掲載してあるデンマークのホームはとてもとても広いものでした。日本でも、もっと公営や社会福祉法人やNPO立のケアホームに力を入れてくれるといいのにと思います。そうすれば、経済ももっと元気がでるでしょうに。

これまで、橋や道路、公共事業をずっと悪者扱いしてきましたが、本当でしょうか。例えば生活圏の道路を整備する事は、一般の人たちが自然に話をする機会を増やし、子どもや老人や障害がある人たちが楽しく安心して生活することに繋がります。ほんとうはまだまだ道路が足りないのではないか、と思います。

住まいを基本とした福祉政策をじっくり語る事ができる政治をお願いします。