これからの研修に期待

本日で平成21年度の名東福祉会の活動が終わります。明日からはまた平成22年度が始まります。

今年も名東福祉会の職員の研修が行われました。大きな成果を生み出しつつあり、来年度に向けてもさらに期待するところです。

研修担当者の努力を考えれば本来、コメントはさしひかえなければなりませんが、職員の研修に関し来年度について、もう少し奮闘しなければという点がありますので、少し書いてみようと思います。

気になる点としては、研修がややもすると福祉の技術論や学術的な論理に関心が強く向いてしまっている点です。ケア技術の具体的な方法論、ニーズのアセスメント論、会議の仕方やプレゼンテーション論をいくら身につけても越えられない壁があります。

もちろん、個別の技術論は重要です。しかし、それ以上に、研修ではその職員が組織にどれだけ貢献する行動をとれるようになるかという点について、口を酸っぱくして伝えていく必要があります。

名東福祉会が強くなれば、それだけ利用者のケアが良くなります。これは至極あたりまえのことで、ひとりではできないことを組織行動でカバーするために組織化する・・・これが社会福祉法人が存在している根本的な理由でもあります。

弱い社会福祉組織が利用者のQOLを向上させることはできません。いわんや地域福祉の質を向上させるなどできようはずがありません。地域の自立支援協議会、手をつなぐ親の会運動や障害者団体の活動、自治体と事業所の相互連絡などなど、すべからく組織行動を強化するためにあります。

ところが、こうした組織行動を強化することを正面から教えることは、これまで福祉業界の一般的な研修ではタブーであったように思います。例えばケアマネージメント資格のように、常に、個人に還元される援助技術に終始してしまう傾向があります。また、研修に参加させる動機づけとしても個人の資格をちらつかせる傾向があります。(もちろん、ケアマネの研修も最終的には組織行動に収れんしていきますが)

私自身、国の研修にも参加した経験があります。その研修会でも、援助行動が組織に対してどのような利益をもたらすのかといった組織行動的な論点についてはまったく触れられていませんでした。

組織は規模の大きさではありません。組織の強さは組織の固有の使命感の共有の度合いです。言い方が悪ければ、理念の共有が障害がある人にとって役に立つ組織と役にたたない組織を色分けします。たった数人の組織でも使命感を共有して、数百人の組織よりも立派な仕事をする例は世に多々あります。

1 何のために組織が存在しているのか、
2 誰のために組織行動を起こすのか、
3 その組織行動は、援助の対象となる人と組織にどんな利益をもたらしたのか、

を職員は常に考えることが必要です。言いかえれば、どんな支援行動にも組織としての機能が問われています。それぞれの状況でどんな<結果>を出力する必要があるのかを考え、常に組織的に動くようになれること。来年度はそうした名東福祉会の理念を常に確認し、行動の基礎とするような研修が求められていると考えています。

子ども手当はおかしい

平成21年が終わろうとしています。今年、名東福祉会の授産施設で障害がある人たちが働いて得た収入は全体で、11,368,000円でした。

メイトウ・ワークスの売上は年間を通じて4,020,000円。
はしおきをはじめとする伝統的な陶芸作業や変身ぬいぐるみシリーズの縫製作業が中心です。他に下請け作業や委託作業を行っています。

天白ワークスの売上が7,348,000円。病院の陶壁の受注をはじめとする本格的な陶芸の他、クッキー作業や下請け作業を行っています。

みなさん、障害にめげず、明るく懸命に働いていますが、この不況下、なかなか収入は伸びません。売上から製造費等の経費を差し引いた収益は本人の工賃として本人に支給されています。しかし一人当たりにすると微々たるものになってしまいます。

施設の職員の給料は少なく、なかなか人が集まるわけではありません。障害者施設の経営は、高齢者福祉のそれと比べて、やはり不十分と言わざるを得ません。

その一方で、正式に法律としてスタートした「子ども手当」に外国人が殺到しているそうです。子ども手当は、その国籍にかかわらず、親が日本に居住していれば日本に居住していない外国人の子女にも支給されるといいます。そのため、「kodomoteate」と書いたメモを手に外国人が役所に殺到しているといいます。
足元の国民を見ることができない、あるいは見ようとしない現政権。これは時間不足とか、経験不足といったたぐいのものではないでしょう。博愛は衆に及ぼしてこそ博愛です。まずは同胞の命を守っていただきたいものです。